第1章 初夜/降谷【警察学校時代】※裏
寮に帰って離れがたくて消灯時間まで共有フロアで零と一緒にいた。
「また、行こうな」
「うん…」
「お盆休み、〇〇実家に帰るのか?」
「その予定だけど…零は?」
「帰る予定はない…」
予定なかったらどこか行けたのにな、と言う零を見て頬にキスをした。
「…家には、帰らないって連絡しとくから…また、お泊まりしよ?」
零が私を見て嬉しそうに笑って。
消灯時間が近づいてそろそろ部屋に戻らないと、とお互いに気づいて立ち上がった。
「…じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみなさい…零」
離れたくない、…もう少し、もう少しそばにいたい。
名残惜しむように指先はゆっくり離れてお互い部屋に戻った。
今でも思い出す、幸せの記憶の一つ。
また、機会があれば
振り返ることにしよう。
誰かに話すわけでもない
私だけの幸せな記憶。
【番外編(初夜)fin】