第19章 ハッピーハロウィン!【安室寄り降谷夢】
ハッピーハロウィン!
探偵事務所の業務を終えて、階段を下りた先に笑顔をむける少年探偵団のみんながいた。
「ふふっ、元気だね」
こうなることは分かっていた。
何故なら、コナンくんから朝方メールが入っていたからから。
用意しておいたお菓子をみんなに配る。
「はい、どうぞ」
「わーい!」
「ありがとう〇〇お姉ちゃん!!」
「どういたしまして」
コナンくんがポアロの看板の前で呆れ笑いを浮かべるコナンくんに手を振る。
「こんにちは、コナンくん」
「〇〇姉ちゃんこんにちは」
「コナンくんにも、はい。あげる」
「…ありがとう!」
一瞬喜ぶか悩んで子供らしく反応するのを選んだな、とコナンくんの反応に私が笑う番だった。
「ポアロ寄らないの?」
「うん、今日は透さん忙しそうだから」
「ふーん、でも」
「「「〇〇お姉ちゃん早く!!」」」
「あいつらが入れって言ってるよ?」
…そんな無邪気な笑顔を向けられたら、断れるわけがない。
「お邪魔しまーす」
「いらっしゃいませ!あ、〇〇さん」
「梓さん忙しいのに大丈夫?」
「もちろん!ゆっくりしていってください」
「ありがとう」
キッチンに入る透さんを見れば、目が合っていらっしゃいと口パクで伝えられた。内緒話をしているみたいでくすぐったい。
「ねぇねぇ、お菓子まだある?」
「さっきの美味しかったー!」
「僕もほしいですー!」
「あ、いいよー。みんなに配る用で持ってきたから。あ、でもお店で食べたらだめだよ?」
どうぞ、と渡したお菓子にみんなが喜ぶから、嬉しくなる。
ポアロのハロウィン限定メニューであるカボチャのシフォンケーキをみんなの分も頼んで、食べ終わる頃には陽が落ちてきた。
「外も暗いし、みんなそろそろ帰ろうね?」
「えー、まだはやーい」
確かに、時間的には早いのだけど。
「だーめ。良い子にしないとお菓子取り上げちゃうよ?」
「ほら、お前ぇら帰るぞ!」
「「「えー」」」
「また遊んでね」
コナンくんが席を立ち、みんなが店内を出て行った。
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