第1章 花嫁の悩み
奏ちゃんが風呂に入っている間に一通り荷物整理を済ませて、明日、行こうとしている観光スポットをスマホで調べていた。
美ら海水族館…イルカか。可愛いだろうなぁ…。
動物は元々好きだった。実際に実家でも猫を飼っておりシャム猫のメス5歳。
…イルカとかクマノミとかアザラシとか水に住んでいる動物とか魚も好き。…でもイルカって哺乳類なんだよね。今まで魚類だと思ってたから知った時にはびっくりした。
「風呂から上がったぞ。お前も入れ。」
背後から声が掛かり、振り向くと腰にバスタオルを巻いた上半身裸のイケメンの男性が目に映る。髪が濡れて更に美男子になった彼に思わず私は鼻と口を抑える。
やべぇ、鼻血出そう。
眼鏡外してもイケメンって…水も滴るいい男って…私を殺すつもりですか、旦那様!
「おい、どうした。」
「へ、へっ?!」
口元から手を離して間抜けな声が出たがそんなの気にしない。
「あ、えっと…う、うん!お風呂入ってくる!」
砂埃のように私はその場を後にしたのだった。