第1章 花嫁の悩み
綺麗な夜景が見える17階のお部屋はクリーム色の壁にライトが当たると心地の良い暖かな色になる。綺麗に整頓された家具に埃一つない優しい部屋だ。
「広いねぇ〜!」
「ま、こんなもんだろう。ホテルも豪華に奮発したからな。」
自分も彼も共に満足していた。…というより2人で決めたホテルだから不満があるのはおかしい。
「…でも汚しそうで怖い。」
「お前だったらやりかねないな。」
「やらないように気を付けるもん!」
どうして、性格が真反対のこの男と結婚したのか。
高校出会った時に私が一目惚れをしたのがきっかけ。
黒髪で眼鏡という容姿は王道なイケメンだった。
しかもクールであまり笑わない。
漫画でよくあるような容姿と性格に私の心は一瞬にして奪われた。
そっからは私が猛アプローチを仕掛けるのさ。
笑わせる為にバナナの皮を置き、彼の目の前でわざと滑って転んでみたり、沢山の林檎を持って行って手渡してみたり…。
最初は敬遠してたけど次第に話すようになって私の馬鹿さ加減に呆れたのか、惚れたのか分からないけど付き合う事になった。
全然違う性格だから喧嘩することも多々あったけどこうやって漸く結婚出来てウルトラハッピーです。
「さて…俺は風呂入ってくる。」
「あ、先入る?その間に荷物整理しておくね。」
「あぁ、頼む。」
素っ気ない彼だけど時々面白い事言ったり天然も出てくるから格好良いんだけど可愛いんだよね。