第2章 初夜の儀式
息も落ち着いてきたところで彼は小さい律動を始めた。
「っ、はぁ…あ。」
「痛くないか? 」
「…っん、大丈夫。痛くないよ。」
「そうか。良かった。」
その声を聞いて安心したのか一つ一つの突きが深くなっていく。
トントン、とリズミカルに腰を動かして私を翻弄させていく。
「ぅ、は、あぁっ、ん…!」
「…中、ぬるぬるして…動く度にうねって…これはっ、…キツい…。」
「私の、中、で、大きく、なってるぅ!」
いつの間にか凄い速い律動へと変わっていき、自分でも分かる、エロくて艶のある声が部屋中に響く。
「いい…凄く可愛い…その蕩けた顔も、その喘ぎ声も、その身体も、この感度も…未海の全てが愛おしい…。」
そんなに愛を囁かないで。
狂っちゃうから。
(狂ってしまえばいい。)
またイッちゃうから。
(何度でもイけ。)
エッチしないとダメな身体になっちゃうからぁ───
(セックスしないといけない身体になってしまえばいいさ。)
意志疎通。
語り合わなくても伝わる想い。
狼は優しく兎を抱き締め、首筋に唇を押し付けて跡を付ける。
(こいつは俺のもんだ。誰にも触らせない。)
甘く、濃厚で、えっちぃ行為に
身も心も彼に支配されていったのだった。