第2章 初夜の儀式
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「うぅ…。」
眩しい光に包まれてからゆっくりと目を開けるとカーテン越しに日差しが差し込む。
「おはよう、未海。」
「…奏ちゃん。おはよう。」
彼は既に眠りから目覚めていて、調子は良さそうだった。
手にはいちごオレという文字がみえる。
「私も…いちごオレ飲みたい。」
ベッドから降りようと布団を剥ぎ、身体を起こす。
その時に自分の状態がわかった。
「…動けない。」
腰から下がズキズキと痛むのだ。
昨日の後遺症みたいなもの?
結構この痛み厄介だなぁ…。
「安心しろ、今日は観光しない。のんびり過ごそう。」
「え、でも…折角の沖縄なのに…。」
「お前のそんな様子を見てると早く行きたくてもいけない。今日は寝てろ。」
そんな会話をしながら私にいちごオレが手渡される。
今日は1日俺が動いてやるから、と呟きながら私の頭をポンポンと叩く。
私はその大きな手の温もりが好き。
貴方の笑顔が好き。
真面目なところが好き。
貴方は私にどんな光景を見せてくれるのかな?
付き合った5年間も楽しかったけど、
彼と一緒に過ごす日々が楽しみでたまらない。
一緒に歩んでいく人生がワクワクで止まらない。
渡されたいちごオレを一口飲んで思いっきりの笑顔で返事をした。
その後、私の首にキスマークを付けた事についての話し合いが行われたのだが、それは数時間後の話である。
何はともあれ、私は彼と結婚出来てとっても幸せ。
待望の新婚生活の幕開けです!
あぁ神様、どうか暖かく私達を見守って下さいね。
彼とずっとずっと…永遠に結ばれますように…。
〜Fin〜