第15章 どうしてそんな顔するの
ゴクリと唾を飲む音が耳に聞こえる
しばらく沈黙が続くと頭を撫でられる
「ごめんエレーナ 痛かった...よね。 焦った。かっこ悪いな俺エレーナの彼氏でもないのに」
そう言いながら体を起こすヴィクトル
腕を優しく掴むと
「ちちんぷいぷい 痛いの痛いの飛んで行けー」
と言い終わるとキスをするヴィクトル
ポカーンっとなんじゃそりゃーという気持ちでいると
「エレーナが怪我した時良くやってたけど忘れちゃった?」
「...いや、忘れたわけじゃないけどさ。まだジャンプ飛び始めたばかりは馴れない痛みによく泣いてヤコフをあたふたさせてたし。流石にもうそれで騙される歳でもないって言うか.....。 でもありがとう」
きっとヴィクトルなりの今の精一杯の言葉
私もグチャグチャで分からないようにヴィクトルもきっと分からないのかもしれない。
そう思うと不思議と許せた
お礼に少し驚いた顔をするヴィクトルが
「こちらこそ」
と返すとタイミングよくあく扉
勝生勇利が扉に寄りかかりながら
「気は済んだ二人とも? そろそろ時間だよ。」
そういい近づくと私たちに手を差し出してくる
その手を取ろうとするとノーとヴィクトルが言いいつの間にか立ったのか私の手を差し伸べる