第15章 どうしてそんな顔するの
「な..に、言ってるのヴィクトル...?」
こやつは一体何をふざけたことを言っているのだそう思い聞くとヴィクトルは
「だからどうしてエレーナは俺のこと好きなのにほかの男に色目使うの?って聞いてるの」
と同じ質問をしてくる
何を言っているのだ私が好きなこの男は
ただ世間話をしていた ただそれだけの事
彼氏でもない ましてやこんな軽いDV紛いのことをしている自覚はあるのか
と考えていると
「ねぇなんで?」
と再び聞かれる
ヴィクトルが掴む力がだんだんと強くなってくる
最初は戸惑いが大きかったがだんだんと頭が冴えてきた
ヴィクトルごめん いい加減に元に戻れ
そう思いおでこで鼻のあたりに思いっきり頭突きする
鈍い音とともにうっと唸り手を離すヴィクトル
すぐさま体を起こすとヴィクトルを押し倒す
ヴィクトルが一瞬何が起きたかわからないような顔をする
そこに間髪入れずに両頬を手のひらで思いっきし挟む
じーんと手のひらが響くような鈍い痛みを伴う
「ごめん世界一イケメンとか氷上の王とか例えられているヴィクトルに対してこんなこと でも、ヴィクトルあなたへの好きは違うの 勝生勇利やぎおちゃんには色目なんて使ってない。第一私が好きなのはこの先ヴィクトルだけよ 自分勝手な王子様を好きになったのはこの私、諦めるはずないでしょ?」
そういい終わるとぎゅっと抱きしめる