第15章 どうしてそんな顔するの
その様子を見て手を下ろす勝生勇利
そして私はヴィクトルの手を取り立ち上がる
ほっとした顔をしているヴィクトル
この短時間で驚くほど素直になれた
今日は勝生勇利にとっても私たちにとっても大事な1日
そう感じながらリンクサイドへ向かった
勝生勇利のおかげでヴィクトルとも向き合うことが出来た
きっと後悔しない
どういう結果になっても私たちの中は
ヴィクトルが本当に好いてくれているそう信じる
ヴィクトルが私を信じてくれたように
今は微妙な距離感で恥ずかしくてもいい
だってこれが適切な距離だから
だから今は私たちより勝生勇利がメイン
むしろ今日の主役に何やらせてるの私
と思いながらも進む試合
勝生勇利の元リンクメイトのピチットチュラノン
彼の演技には華があった
勝生勇利あなたは今日華を咲かせられる?
あなたはあなたの色香が漂う華を
色や形だけでなく匂いを感じさせるような美味しいカツ丼になるのかしら
今日はどんな味?
そんな思い出始まる演技
これはまた
濃厚な卵にとろっとろに仕上げてきたわね。
辛いの苦手だし早く勝生勇利のお母さんのカツ丼が食べたいなー
そう思っているいつの間にか終わりキスクラに一緒に座っていた私
あれ?いいのか?なんて思っていると