第12章 ついてきちゃった
着替えを済ましどこかぼーっとしている勝生勇利
「ねぇ いつまでそうしてるの ヴィクトルがあなたのために振付た曲 あなた以外に美しく滑れるのはヴィクトルだけ。でも今はあなたしかいない。 ヴィクトルがコーチにふさわしいってこと見せつけるんでしょ?」
そう目を見て話すと「あっ」とどこかに行っていた意識が戻ってきたように顔色が少し戻る
こくりと頷き
リンクへと繋がる階段を上がる
その背中を見送る私はしばらくしたあと拍手を聞き少し安堵する
その日結局私たち以外と会話することなくホテルへ戻る勝生勇利にヴィクトルが喝を入れたのはその夜のようだった
翌日会うと南君や他の選手とも交流する勝生勇利にあれだけリラックス出来ていれば大丈夫だと感じる私がいた
結果は勝生勇利の優勝で終わりめでたしめでたしであった
その夜勝生勇利は南君の強い要望もあり食事へ出かけるとのことでヴィクトルがつまらないからとお酒とジュース、つまみをもって私の部屋に来た
ヴィクトルはエレーナはお酒飲んじゃダメだよーはいジュースと渡してきながら自分はボトルのワインを開封し飲み始める
下で買ってきたのかコンビニで買ってきたのかビニール袋の中にはお酒が大量