第10章 温泉オンアイス
帰ってきて投げ捨てるように放り投げたカバンから飛び出しているスマホが連絡があったことを知らせる灯りを点滅させる
近づき拾い上げるとユーリからのメールが届いていた
俺は今回の勝負には負けた
ロシアに帰ってヤコフに勝ってるようシゴいてもらう辛いだろうし沢山怒られると思うだけど今度は負けねぇ
絶対勝つ
俺は諦めねぇ
だからエレーナお前も負けるな ヴィクトルのこと諦めるな
そう書いてあった
ユーリらしいなと思いメールを見てくすっと笑う
窓辺に近づき
「負けるな…か...」
最後にもう一回頑張ってみてもいい...かな
ヴィクトル
と届かない月をヴィクトルに例えるように腕を伸ばし掴もうとする。
届くはずがないそうわかっていても求めてしまう
スケートとまるで同じようで少し違う
スケートもヴィクトルがいたから続けてこれた私は故障をしてヴィクトルのそばにいることを選んだ
こうなることも考えずに始めた私
バカだなと思いつつもとりあえず今はもう一度アタックしてみるしかないか
と思い頑張ることに決めた
ユーリに
もう一度頑張ってみる
そう一言メールし布団に戻り眠りについた