第10章 温泉オンアイス
演技が終わり結果を残した勇利
2日前の夜急に現れた勇利が女性としての表現方法を教えて欲しいとみなこの元に来たというのを教えてもらい彼が覚醒した理由を知った
なるほどね彼がいなかったのはそういうことと思う
同時にユーリの演技について考えた
ユーリの演技も技術的には年齢を見れば申し分のないものだっただろう。だが体力面の問題や演技構成を見るとなにか迷いがあったのは確かだった。表面上のアガペーだけではヴィクトルは動かせない。
そう判断したユーリは私たちが会場を出るよりも前に長谷津を出発したようだ
ヤコフに帰ったらたっぷり絞られるんだろうなーと思いながら私はどうしようと考える
ユーリと一緒にヴィクトルを追いかけて長谷津に来たけどユーリは帰っちゃうし、ヴィクトルは今回のことで勝生勇利のコーチとしての地位を確立しちゃうし、大々的にメディアに報道されてしまった今ヴィクトルを連れ戻すことは難しいし
「どうしたもんかな」
と呟き記者会見中の2人を控え室のテレビから眺める
暫くすると記者会見が終わり控え室から出ると歩いてくる2人
「お疲れ様」と声をかけすれ違う
すると勇利が
勇利「あっエレーナさん ありがとうございます。僕これからも認めてもらえるよう頑張ります。ですから、よろしくお願いします。」