第9章 勇利の目覚め
遅れてきた時も感じたが練習中もなんとなくぼーっと無理をして空元気を出している感じがするエレーナに何かあったのかなと思う勇利
結局その日はいつも通りを取り繕うような雰囲気に押され終わってしまった。
翌日朝のストレッチ中に思い切って聞いてみた勇利
勇利「あのエレーナさん ヴィクトルとなにかありましたか?」
ドキッと動揺を顔に表すエレーナ
「っ...ど、どうしてそんなこと思うの?」
勇利「なんとなくお互いにギクシャクしてる感じがあったから。...あの日からですよね。急に自主練習になった日から。僕が首を突っ込むのは変かもしれませんがそのヴィクトルは僕のコーチですし。」
というとクシャッと顔を歪めたエレーナ
勇利「....あの」
「....襲ったの」
勇利「えっ?今なんて」
「襲ったの!夜這いしたの!告白したの!」
とやけくそになって答えると
勇利「えっえぇぇぇええええ!?!?!?」
「ばか声でかい!!」
勇利「だ、だって 急すぎ そりゃエレーナさんがヴィクトルのこと僕とは違う意味で好きなのは気づいてましたけどあまりにも急すぎてびっくりしたと言いますか。っていうかあのあと酔った勢いで襲ったってことですか 意外とやりますね」
「だって、ヴィクトルっぜんっぜん人の気持ち気づいてないんだもん。私が何年我慢したと思ってるの。やっと見てもらえそうな距離に入れたと思ったら急にあなたのコーチやるとかいうし!」