第18章 目が覚めると
「お入りください」
そう言われ入ると
「脳波などには以上はありません。ただ...」
「ただ?」
「残念ですが流産されています。」
そう言われ理解出来ない私たちに
「はっきりとはいえませんが16-8週目あたりと言った所でしょうか。一ヶ月前あたりに食欲不振などはありませんでしたか?」
そう言われ心当たりを思いつく
「このままにしておくことは出来ませんので手術が必要ですがお相手からサインをいただくことは出来ますか?」
そう聞かれこんなことヴィクトルには言えないと思い
首を横に振ると
「そうですかでは御家族に」
そういうと
「分かりました。」
と答えるリリア
私がようやく理解出来ている頃には病室に戻っていた
リリアがそっと
「...ヴィクトルね」
そう言われ頷くと
「彼を愛しているのでしょう」
と言われ流れる涙
気づいた頃には泣き疲れていて眠っていた
朝目が覚めると食事が喉を通らない
そのまま泊まってくれていたリリアが
「ヴィクトルにこのことを悟られたくないのなら食べなさい。」
そう言われ食事を取り続けた
その日勝生勇利とヤコフがまた見舞いに来て話をしていると
リリアが
「ちょっと」といい内容を伝える為に部屋を出る
「僕も飲み物を買ってきます」
といい一緒に部屋を出る勝生勇利
久しぶりの静けさに空を見上げる