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【黒羽快斗生誕祭】クリムゾン・ブロッサム

第6章 回答





いつも、昼間の彼を何処か気に食わなかったのは。
たまにしか見せない、こんな彼の顔を知ってしまったからなのだと気付いている。



そして私はその全てを盗みたい、

独り占めしたいのだとも――




「お誕生日、おめでとう」


下の方から聞こえてきた、十二時の鐘が鳴り終わるのを待ってそう言うと。



「ありがとうございます…いや、違うな。

…サンキュ、橙子」




もう隠す気もないのだろう、開き直ったらしい彼はまるで昼間のそれのように、くしゃり、と子供のような笑みを浮かべたのだった。




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