第4章 相似
私の返事に、にかっと笑った黒羽くんは、もういつも通り。
机に突っ伏し、完全に寝る体勢に入っている。
流石幼馴染だな、彼女の感情の起伏には慣れているらしい、と。
何故かちくり、と棘が刺さったような気持ち悪さを感じながら…一時限目の教科書を探す間にもちらちらと、前席の彼の姿が視界によぎる。
ふわり、と外から舞い込んできた、梅雨時には珍しい爽やかな風…今にも眠りに落ちようとしている、黒羽くんの癖がかった柔らかそうな髪を優しく揺らした。
そんな小さな光景に、既視感を覚えて考え込む。
見覚えがあると感じるのは、何故だろう――