第14章 二人で
「様!?」
途中でアンナとすれ違うと、アンナは素っ頓狂な声を出した。
「様、どうしてここに・・・塔を抜け出してきたのですか?あ、こっちに来てください」
頭が混乱しているのかどんどんと話題を進めるアンナに、側にあった部屋に押し込まれた。
「ちょっと、アンナ!私、魔王様のところへ行かないといけないの。だからっ」
「動かないでください。足から血が出てますから。」
アンナはテキパキと手当てを終え、真面目な顔でを見据えた。
「魔王様を助けに行くんですか?」
「そう。そのためにここまで来たの。行かせて、アンナ。お願いだから。」
しばらく見つめられた後、アンナは微笑んで言った。
「全く、勇敢なお姫様ですね。言い出したら聞かないのは私が1番知っています。場所、わからないですよね?案内しますから、付いて来てください。」
「ありがとう、アンナ!大好きよ。」
「私も、様に一生お仕えする気でいますから。死なれちゃ困りますし、生きて戻ってきてくださいね。」
「えぇ、約束する。二人で、必ず戻ってくるわ。」
「約束ですよ。さぁ、こっちです。」
はアンナについていった。
沢山の感謝を抱きながら。