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魔王様の日常

第13章 魔王様・・・!


魔王からもらった手紙を開く。
そこにはたどたどしいながらもの事を思って頑張って書いた言葉があった。

“へ
突然閉じ込められて、困ってるよな。ごめん。
この手紙を読んでいる時、俺はきっと側に、この世界にいないと思う。
でも、聞いて。
正直言って、お前が一緒にいてくれたの本当に嬉しかった。
俺は一人じゃないんだな、って思ったから。
お前はいつもビックリするような事を言って、凄いことやって、俺を驚かせる。
そんで、いつでも優しい。そういうとこ、大好き。
言いたいことはいっぱいあるけど、なんかまとまんないからこの辺で。
ありがとう。に会えて良かった。
幸せになって。俺の分まで。

愛してる。”

涙が滲む。

「最後みたいな言い方すんな、ばか。勝手に終わらせないでよ。」

私はまだ終わったとは思ってない。終わらせる気もない。
魔王を助けて、勇者を説得する。
それが今の私がすべきことだ。

涙を拭って走り出した。
ポケットに乱暴に押し込んだ手紙がぐしゃりと言って折れ曲がった。

もっと速く、速く走れ。
1秒でも速く、魔王の下へ行きたい。
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