第12章 異変
「んー」
眩しい。朝だ。
はベッドの上で目を覚ました。
見慣れない天井に戸惑ったが、直ぐにわかった。
昨日は魔王の部屋に泊まったんだっけ。
隣には魔王が寝ている。
この前はソファーで寝てたけど、今日は2人でベッドで寝た。
「ふふふ」
「何笑ってんだよ」
「わっ!魔王様、起きてたんですか。」
「ちげーよ。今起きた。」
「そうなんですか。おはようございます。」
「うん、おはよ。」
なんだか少し照れくさくなっては笑った。
「何笑ってんの。」
「いや、幸せだなって。」
「ふーん」
魔王も微笑んでの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「魔王様、そろそろ支度しないと。アンナに怪しまれちゃいます。」
「カイリ。」
「え?」
「カイリだから。俺の名前。2人の時だけでいいから、そう呼んで。」
「カイリ、様?」
「そう。」
魔王が本当の名前を教えてくれたのが嬉しくなり、は何度も名前を呼んだ。
その度に魔王は笑って答えてくれる。
しばらくそうした後、は部屋に戻り急いで準備をし、食堂へ向かった。
「おはよう、。」
「おはようございます、魔王様!」
食堂で魔王とが会う。
さっきもおはようって言ったのにもう一度言うなんて変な感じ。
は食事中もにやにやして、落ち着かなかった。