第9章 姫の気持ち
翌朝起きると、は知らないベッドで寝ていた。
一瞬何があったか思い出せなかったが、周りを見渡し、ソファーで眠っている魔王を見た瞬間に昨日の記憶が蘇った。
側近たちの言葉、魔王が死んでしまうこと、それから、寝る直前に聞こえた「おやすみ」。
魔王様は死んでしまうの?どうして?魔王様が死ぬために生まれたって、なんで?
わからないことだらけ。は魔王の事をあまり知らなかったのだと、気がついた。
とりあえず顔を洗って髪を梳かすと、頭がスッキリしてくる。
魔王様に、聞かなくちゃいけない。昨日のこと。
「んん・・・」
ハッと意識をソファーの方に持っていく。
魔王が目覚めた。魔王は自分の方を見てくるを見つけて「おはよ」と言った。
「おはようございます、魔王様。昨日はいきなり来てすみませんでした。」
「いいよ、別に。」
どう切り出そうか迷って魔王を見つめると、魔王は苦笑して口を開いた。
「わかってるよ、知りたいんだろ?」
こくり、と頷く。
魔王はソファーに座りなおすと自分の横をポンポン、と叩いた。
大人しく魔王の横に座る。
「どこまで知ってんだ?」
「魔王様が死んじゃうって、あと、魔王様は死ぬために生まれてきたって、聞いちゃって」
「わかった。じゃあ、これから話すから聞いて後悔すんなよ。」
そう言って魔王は話した。