第4章 ピクニック
「楽しかったから、また参加してやろう。」
「はい、私も楽しかったです。午後のお仕事頑張ってください!」
「おう。お前も頑張れよ。」
そう言って魔王は行ってしまった。
「よかったですね、様。」
「うん!よかった。」
(魔王様とお話しできてよかった。とってもいい人だったし、子供っぽくて面白い人だなぁ。それに・・ちょっと可愛いかも。)
今日抱いた感想を思い出し、クスリと笑った。
アンナはもう魔王への警戒心(元々そんなになかったが)も無くなってしまっていた。
ふふっ、と笑う。
アンナはそれを微笑ましそうに見ていた。
「もっと、魔王様と仲良くなってみたいなぁ。」
は完全に忘れている。
いつかは勇者が助けに来てくれることを。
そうしたら離れなければいけないことを。
仲良くなったら離れる時寂しくなることを。
勇者が助けに来てくれたら魔王は倒されてしまうことを。
自分たちは敵同士なことを。
全部、全部忘れて、幸せに笑っていた。