第3章 姫の挑戦
「ワンパターンで悪かったな!」
「いえ、私は魔王様が仕事の合間にネットで『断り方 上手』などと検索して頑張っていらっしゃるのも知っていますよ。」
(魔王様、え、どういう事?私が今まで見てきた魔王様と、なんだか性格が違うような・・)
その時、ようやく気づいたかのように魔王が動きを止め、の方を向いた。
「取り乱してしまい、すまない。あいつが言っている事が全てデタラメだ。」
「あの・・もうわかっちゃいましたから無理して冷徹キャラ演じなくてもいいですよ?」
「なっ!?!?」
魔王は耳まで赤くなる。
そして、照れ隠しのように言った。
「し、仕方ないからピクニック、付き合ってやるよ。」
「本当ですか!?」
はパッと花が咲いたように笑った。
魔王は目を合わせようとしない。
きっと照れているだけだろう。
なぜ冷徹な自分でいようとしたのかはわからないが、とにかく嬉しかったので、特に気にならなかった。
(よし、準備頑張らなきゃ!)
「アンナ」
「はい。」
「貴女も、一緒に食べましょう?ピクニックは大勢の方が楽しいに決まってるわ。」
「はい!ありがとうございます!」
アンナも笑った。
魔王も、秘書も、仕方ないというふうに笑っていた。