第3章 姫の挑戦
「おはようございます、姫さま。」
「おはよう、アンナ。今日は良い天気みたいね。」
「えぇ。今日は一日中晴れる予報です。」
「そうだわ!じゃあ、ピクニックをしましょう!」
「ピクニック?」
あれから、とアンナは急激に仲良くなった。
相変わらず厳しいところは厳しいが、笑顔を見せてくれるようになったし、沢山話しもする。
「そう。ピクニックよ。いい案じゃない?みんなでピクニックするのよ。」
姫付きのメイドであるアンナが打ち解けたことにより、その他のメイドや家の者とも仲良くなれた。
顔を見れば挨拶してくれるし、前よりもにこやかになった。
最近じゃ、いつも魔王の側にぴったりとくっついている秘書のクレイグさんーーメガネをかけ、こげ茶の髪の知的な男性ーーとも話せるようになった。
ただ、魔王様とはあまり話せていない。
いつも会話が続かない。
食事し誘っても忙しいなどと言い訳して来てくれないし。
「できれば、魔王様も呼びたいな〜、なんて、ダメ?」
のお願いにアンナは滅法弱い。
「メイド長に確認して参ります。ここでお待ちください。」