第8章 紅と赤ちゃん
「あら、じゃない!
久しぶりね!」
下着や服を買いに
活気ある商店街を歩いていると、
不意に後ろから声を
かけられた。
誰かと思えば紅だ。
抱っこされている赤ちゃんは
キョトンとした顔でこちらを
みている。
「うわぁ、可愛いー!!
癒される、あ、小ちゃい手だねぇ。
あぁ、持って帰りたい…。
ふふっ、こんにちは。お名前は?」
「可愛いでしょ?
名前、ミライっていうの」
「可愛い…いい名前ね。
昨日ね、帰ってきたんだ。
紅、色々大変だったね、
またゆっくり
ご飯でも行こうよ。」
私は赤ちゃんの手をツンツンしながら答えた。
「そうね、ミライがいるから夜は無理だけど、昼間なら大丈夫だし、行きましょうよ。」
「うん、落ち着いたら誘うね。
ねぇ、どっちに似てる?アスマにも似てるね。ぱっちりお目目が本当に可愛い。」
つぶらなひとみの可愛い赤ちゃんを
微笑んで見つめた。