第6章 すっぴん
それから
お風呂を借りたけど、
やはりびっくりした。
綺麗で広い。
(なんだここは。)
「火影は金持ちなんだなぁ、
安泰だなぁ…」
と、お風呂に浸かりながら呟いていた。
「お風呂ありがとう。」
お風呂に上がって、リビングにいる彼にそう言うと、
伊達メガネをかけた私をジーっと見てるのだ。
カカシには私より先に
お風呂に入ってもらったから
ラフな服装だ。
少し、いつもと違う感じで
ドキドキする。
「すっぴんの顔、全然違う。
分からなかった。」
「はぁっ??!
何よ、もう見ないでよ。」
だんだん恥ずかしくなる。
しかも1番気にしている事を
平気で…!不細工なんだから仕方ないじゃない!
(さっきの反省は撤回!!
ムカつく!!)
頭に怒りマークが付いているはずだ。それなのに彼はニヤニヤ見つめている。
「化粧落としたら見た目幼いな。化粧って本当に化けるね。女の人って恐いわ。」
(あ、まだ言うか、こいつ。)
私は彼のことを無視して、
自分の部屋に行こうとしたら
いきなり腕を
掴まれ引っ張られた。
ソファの方へ
バランスを崩し、
彼に覆い被さるように
倒れてしまった。
「ちょ、と、何するのよ!離してよ。危ないから、もう…。」
身体を離そうとするが、
カカシは背中に手を回し、
抱きしめられて、身動きがとれない。
「どこ行くの?」
「上。だから離して?」
「ごめんって!待って、待って!行かないでよ。嘘だから、怒らないで。」
「……分かったから、退いてくれる?」
「嫌だ。
退いたら上に行くじゃない。」
「……。」