第5章 お家
「、ここ使って。」
階段を上がってすぐ左側の部屋に入った。
そこには、
ベッドやカーテンなど、一通りの家具が揃っており、
優しい色合いで統一されている。
家具は温かみある木目調で、
可愛いらしい。
不思議だが、
私が好きな色合いだ。
「うわぁ、可愛い!
好きだな、この部屋。
使っていいの?素敵なお部屋ね。」
「気に入ってくれて良かった。」
目をキラキラ輝かせて、
中に入って辺りを見渡せば、
天井がとても高いのだ。
開放的に感じる。
荷物を置いて、ゆっくり窓を見た。
(ここ、南向きじゃない…いいのかな、こんな部屋使わせてもらって…)
「カカシごめんね、気を使わせて。本当に早く出るから。
あ、家賃払うよ、電気代とか、色々かかるし…」
ソワソワしながら
口早に喋り、彼を見れば
目を細めて微笑んでいるのだ。
「いらないよ、何にも。
、
この部屋気に入ったんだよね。
だから使って?
誰も使わない部屋だからね。」
「…そう?ごめんね、
なんか悪いね。
あ、じゃあ、
家事とか出来ることするから。」
「ああ、じゃあそれで良いから、よろしく。」
彼はそう伝えると、
ドアを閉めて
先に下に降りて行った。