第5章 第3者は初めからいなかった/黄瀬涼太
「そろそろこっちもいいっスよね」
「え?」
そう言うと彼は、私の下半身にまとっていた衣服を脱がし、下着の上から割れ目をなぞった。
「ひゃっ…」
「濡れてる」
「んっ…黄瀬r「涼太っスよ」」
ちょっとムッとした黄瀬涼太…もとい、涼太はとうとう下着の中に指を入れてきた。
「涼太、涼太…恥ずかしいから」
「ビッチに恥ずかしさもなにもないっスよね」
「っ!!」
まだビッチ呼ばわり。そもそも私は処女だ。
「ほら、どこがいいんスか?」
「あっん、あぁんっ…」
「ここ?それともこっち?」
「はぁっあっあぁ!!」
指がいろんな方向に動かされる。なんだかもうぐしゃぐしゃで、気持ちよくてなにも考えられなかった。ビッチでもなんでももうどうでもいい。快楽へ導いてもらえるのならなんとでも罵ってくれ。処女は痛いって聞くけど覚悟を決める余裕すら私の頭にはなかった。
「ああぁぁっ!!」
ある一点を突かれたとき、無意識に変な声が出てしまって羞恥に襲われた。だけどそんな私の反応に口元を緩めた涼太。不覚にもときめいた。
「此処っスか……なまえのイイとこ…」
「んっやぁっ…なんか、変…あん、おかしくなっちゃうよぉ!!」
「おかしくなればいいんじゃないっスか?」
勝手に脚がガクガクして、身体に力が入る。途端に頭が真っ白になって、一瞬だけ意識がとんだ。なんだこれ。気持ちいい。