第2章 マークスお兄様
コンコンと軽めにドアをノックする。
すると、「入れ。」と低めの声が聞こえた。
返事をして部屋に入ると、マークス様が書類をまとめている最中だった。
さすが、暗夜第一王子だ。朝早くからご苦労様です。
「今日から、カムイ様の御世話を担当することになりました。アオと申します。」
「ああ、父上から聞いている。カムイのことは頼んだぞ。」
「はい、お任せください。」
と、礼儀よくお辞儀をし、マークス様の部屋を後にした。
まずは、挨拶周りでもするとしよう…か?!
後ろから誰かにドンと押された様な気がして、すぐに後ろを振り返る。
すると、ピンク色の長い髪を後ろにまとめたメイドらしき人が、倒れていた。
「ふ、ふぇぇえ、す、すみませんっ!話しかけようとしたら転んでしまってっ!」
「いえいえ大丈夫ですよ。メイドさん?」
「あ、あのあの!新しい執事さんですよね?!わたし、カムイ様の臣下のフェリシアです!」
「これからよろしくお願いします!」と頭を下げられる。
これじゃ、どっちが先輩なのかわからないな。
「こちらこそ、よろしくお願いします。フェリシアさん。」
「は、はい!」
にぱぁとフェリシアは微笑む。とても、可愛らしい。
「こんなに可愛らしいメイドさんが臣下でカムイ様は羨ましいです。」
「え、えへへ、ありがとうございます!」
なんだか楽しくなりそうだな。