第1章 ボクの血のつながった妹
「カムイ様、おはようございます。」
「んん…ジョーカーさん…もう朝ですか?」
銀色の長い美しい髪を持つ女性が目を擦りながら、「ふわぁ」と可愛らしいあくびをした。
燕尾服を着た、上品な男性はジョーカーというらしい。
あれが、カムイ…か。
記憶もなんも残ってないや。
同じ場所に住んでありながら、ボクは地下に閉じ込められていたからな。
十数年ぶりの妹の顔。
覚えてるわけないのに、なぜか懐かしく思う。
「あぁ、そうだ…マークス様に呼ばれてたんだっけ。」
カムイ、そして暗夜の王族のきょうだいには、ボクの正体は秘密。
だって、そっちの方が楽しそうだもん。
さて、早くマークス様のところへ向かわなければ。