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『探偵』前世の記憶を思い出した時、彼は私の恋人でした。

第5章 記憶を思い出したら『萩原研二』の恋人でした。2


※一章の続き。1からやり直して友達から始めた話。

ーーー。

私は今、萩原とデートしていたりする。ポアロでお茶をしてアイスティーを飲む私に、ガムシロップと蜂蜜とメイプルシロップと…まぁそんな甘々しいものを足して足して足した感じの視線を向けて来る萩原がいたりする。アイスティーじゃなくてアイスコーヒーにすれば良かっただろうかと思う。それにしても…萩原は人のことを考えず、人の目もくれずに口説いて来るのはなんとかならないだろうか。

だから私は彼のペースに呑まれない為にも、先手必勝という形で口説いて見ることにした。

「萩原の声がエッチすぎて耳から孕むわ…」
「えっ…」
「まぁ、萩原の声が一番好きっていうのも確かなんだけどね」
「えっ…」
「萩原のタレ目なところも可愛いと思う。黒髪で指通りもよくてサラサラで撫で心地もいいし、身長も高くてかっこいい。手先が器用で要領良いし気さくなところも素敵だよね」
「んん゙っ」

悶える彼にニヤニヤしつつ、またアイスティーを口付ける。萩原とは今、友達としてやり直すという形で彼と距離をおいていたりするのだが、しかし目の前の男は諦める気がさらさらない様子で私へと貢いで来るのだ。勿体ないから止めなさいとか、ただの友達にそんなことはしないと伝えるも、今どきの友達はするんだと力説される毎日だ。会って早々私に可愛いとか恥ずかしげもなく口説く。少し前まで付き合っていた彼女はいいのかと言えば全員振ったといった。本当に女遊びもなくなり、電話番号の履歴も全て消去。松田くんなどの同期の履歴はあるも、女の名前は私だけという徹底ぶりに本気なんだなー…と他人事のように考えた。

「お前らもうやり直せよ…」
「久しぶりだね、松田くん」
「よう、相変わらず萩原を振り回してる見てぇだな」
「ちょっと…それ止めよう?私はいらないって言っているのに、萩原が似合うとかいって勝手に貢いで来るだけだからね?」

寧ろ、松田くんも止めてよ。と伝える私に上から下へと視線を下げていった松田くんの表情はしかめるだけであった。渋い顔でタバコに火をつける。

「いや、都もどうなんだよ…その格好。萩原のタイプそのものじゃねぇか」
「だって萩原、私よりセンスいいんだよ!いらないっていっても買って来るし、貰ったら着ないと逆に勿体ないでしょう。それに他の人に貰った物着ると機嫌悪くなるし…」
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