第2章 特訓
「うわっ!すごい!!」
キルアの手のひらを背中に感じ、目の前に白い蒸気が見える。
オーラ!!!!!
キルアが、ウィングさんがやったような荒技を使って私のオーラを開花させてくれた!!!
「纏!!できるか?」
キルアの言葉に、
「やってみる!!」
私は目を閉じてオーラを纏うイメージを抱いた。
……。
…………。
………………。
――できないッ!!!!!
「落ち着け。必ずできると自分に暗示をかけろ」
必ずできる。
必ずできる。
オーラを纏う。
纏う、纏う、纏う……。
ダメだ……力が抜けてく……。
どんどんオーラが溢れて止まらない!!!
纏えない……!!!
ガダンッ……。
私は床に倒れた。
力が……入らない……立てない……酷く疲れた……。
キルアを見上げて、
「ごめん……無……理」
と言うと、キルアが、倒れている私に近寄り頭を撫でてくれた。
「俺みたいには行かないと思うぜ。なかなか難しいからな。今日はゆっくり休め」
キルアが私の背中に腕を回し、私を抱え上げると、ホテルの部屋のベッドに運んでくれた。
う……わぁっ!!
キ……キルアにお姫様抱っこしてもらえるなんてっ!!!
心臓がバクバクして、私は、
「キッ……キルアッ早く下ろして!!」
と言ってしまった。
「ああ。はい」
キルアが私をベッドに横たわらせた。
そして私に、
「そういえば、あんた名前は?」
と訊いてきた。
「私は名前さん。苗字さん名前さん」
「苗字さん名前さん……ふぅん……いい名前だな」
キルアが無表情で言った。
そして私の頭を再び撫でて、
「じゃ、今日の特訓はここまで。ゆっくり休め」
と言ってくれた。