第2章 特訓
サ店から出た私達は今日の宿を探す事にした。
「グリードアイランドの報酬の金があるから宿には困らないんだぜ。あのホテルにすっか?」
キルアが笑顔で目の前の高級ホテルを指差す。
「――!!すごく高そうなホテル!!」
私は驚愕した。
大理石と金が敷き詰められている。
「来いよ」
キルアは私に微笑んで私の手を取る。
そしてホテルの中へ私を導いた。
チェックインを済ませると、私達はエレベーターで最上階を目指した。
「……俺は家族から逃げている。アルカの能力があるからなんとか逃げ切れている。けどあんたを守れるかと言ったら正直微妙だ。俺とアルカだけじゃ無理かもしれない」
「守る?」
聞き返すと、
「俺の家族は強い。本気でアルカをころす事は無くなったけどアルカを奪い取ろうとしている。俺とアルカは自分の能力で戦えるけど、俺の家族がお前を狙った時、お前を守り抜けるか解らねぇ」
……そっか……キルアは本当に命懸けなんだ……。
イルミはキルアを溺愛してるから、キルアをころす事は無い。
でもアルカを奪い取ろうとしている……操り人形にするために……。
私はギュッとアルカを抱き締めた。
「お姉ちゃん……?」
「大丈夫。私とキルアがあなたを守るからね……」
「ありがとうお姉ちゃんっ」
アルカが私に笑顔ですりすりと頬擦りする。
「……まぁあんたに念能力身に付けてもらうのが一番手っ取り早い。自分の身を自分で守れるようにな」
キルアが両ポケットに両手を突っ込んで私を見て言う。
「うん!私頑張る!!足手まといにならないように頑張る!!」
そう言うと、キルアがクスッと微笑んだ。