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キルアと旅

第1章 未来からの女


「……えっ……でも……帰らないとあなたは二度とここから抜け出せなくなりますよ?」

未来の子孫の女がオロオロしながらそう言う。


「……なんかワケあり?」
キルアが両ポケットに両手を突っ込んで私を見てくる。

「あ……ううん、なんでも……なんでもないの」

私は赤面した。

うわぁぁ……キルアと……!!か……会話っ!!

目の前にキルアの顔があった。


「わっ!!」


私はびっくりして後退りした。

キルアが私の腕を掴む。

――!!

「ナニカ」

「あい」

「この女と俺と一緒に適当な街へ移動しろ」

「あい」

シュッ。


街の景色が変わった。

未来の子孫が隣に居ない。

キルアが私の手を離した。

「この街なら治安良さそうだしバイトとかしたかったら良いバイト見つかるだろ。じゃあな」

キルアがアルカと共に私に背を向けて去ってゆく。

「まっ……待って!!」
私の叫びにキルアが振り返る。


「助けてくれてありがとう!でも助けてほしいの!私の話を聞いてほしいの!!」
キルアが訝しげに私を見た。
そして私に歩み寄ってくる。

「いいけど、俺にも何かお返し頂戴ね」

「チョ……チョコロボ君でいい?」

「おっ!いいね。よく俺の好みが解るな。じゃあ来いよ、そこのサ店で話聞いてやっから」

ど……どうしよう……完璧場違いだよ……私……。

キルアだって忙しいだろうし……。


キルアについて行って近くのサ店に入った。


「座れよ」
キルアに促され私は窓際の席に座った。


「家出だろ?」


「えっ……」


「やっぱりそうなんだな」

キルアがメニューを見ながら言った。


「俺も家出中。アルカを守ってんの」


ちょっと妬いてしまう……。

「わ……私は!家出じゃなくてっ……その……」

キルアが私を見つめる。


「キッ……キルアに会いに来たの!!」


「……ハァ?」
キルアがゴンの失態を見るような目つきで私を見た。

「俺とあんた、初対面っしょ?」


「ち……違うの……私は……」


私は話した。
三次元という世界から来ている事。
前からキルアをよく知っていた事。
キルアとゴンの事も、クラピカや幻影旅団、レオリオの事も――。
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