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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第6章 新しい住人-ショウトツ-



「昌吾君、首相が貴方をここに住まわせようと思ったのは、何もあの本のことだけじゃないんですよ。他人との共同生活を通して成長して欲しい、とそう仰っていました」



「…そんなもの、別に…」



「とにかく、ここにはここの規律があります。
入居したからには従っていただきます」



「…分かりました」



鵜飼さんが渋々と頷いた時だった。



「お坊ちゃま!?どうかなさいましたか!?」



「遅い、雉子谷!貴様がいないせいで僕は散々な目に遭った!あとお坊っちゃまって言うな!」



「(今時お坊っちゃま呼び…)」



「それは大変申し訳ございません。買い出しに思ったより時間がかかってしまいまして…あ」



雉子谷と呼ばれた男性がこちらを振り向く。



「あの、フクロウの皆さんでしょうか?ご挨拶が遅くなりましたが、私は雉子谷新と申します。昌吾様の身の回りのお世話をさせていただく者です」



「初めまして雉子谷さん。フクロウ探索部長の朱鷺宮栞です。よろしくお願いします」



私達も続けてそれぞれ自己紹介する。



「これから暫くご厄介になりますが、私もまだまだ未熟者でございますので、何卒ご指導ご鞭撻お願いいたします」



✤ ✤ ✤


「杙梛さんは人を見る目がなさ過ぎる」



「というか、客として買い物してるくらいじゃそうそう本性は分からないだろ」



ホールでは流石に話しにくく、私達は作戦室でこうして『対・鵜飼昌吾大作戦』を練っている。



「神経質そう、なところは合ってますよね」



「いやさぁ、別に陰口叩きたいわけじゃないんだよ、俺だって。でも明日からどうやってこの世の常識を教え込んでいけばいいのか…」



「へぇ悩むんだ。実力行使するのかなって思ってた」



「俺しか関係ないなら迷わずそうしてるよ。でも朱鷺宮さんの立場もあるだろうしさぁ…。大人の事情が絡んでなきゃいいなーとかさぁ…」



「ある程度は絡んでるんじゃないのか。でもいい機会じゃないか、一応首相の息子なんだし。これであいつと仲良くなって味方に出来れば逆にフクロウ反対派の意見を削ぐことも…」



「仲良く…」



「…いや、まぁ」



翡翠の言葉に滉は言葉を濁す。



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