第3章 初めての巡回-ジユウ-
「お説教以上の罰が与えられそうで怖いね。でも素足を晒して外を歩くことは私にとって恥ずかしいことじゃないんだ」
「そ、そうなの…?」
「きっとこの先、そうなる時代が来るよ。だからツグミちゃんもいつかチャレンジしようね!」
「え!?わ、私には難易度が高すぎると思う…!それに…もし風でスカートが捲れてしまったら…」
「強風が吹かない限り大丈夫だと思うよ。あ、ほらツグミちゃん!時間に遅れちゃう!」
「え、ええ……」
私は眉を下げ、困惑顔を浮かべているツグミちゃんの背中を押して玄関に向かった。
✤ ✤ ✤
「おお!見惚れそうなくらい可愛い子達が来た!」
「おはようございます、紫鶴さん」
「おはよう、お嬢さん。今日も愛らしい笑顔で僕を癒しておくれ」
「愛らしい笑顔で紫鶴さんを癒した覚えはないです」
「君は相変わらず塩対応だね。ま、そんな君も僕は愛らしいと思うけど。それにしても…」
「何ですか?人の足をジロジロと…」
紫鶴さんの視線が私の足に向けられている。
「まさか生足を拝める日が来るとは。僕は今もの凄く感動しているよ」
「生足って言い方はやめて下さい。普通に素足って言ってくれたら伝わりますから」
「お姫様も素足を出してみたら?」
「む、無理です…!」
ツグミちゃんは頬を染め、否定する。
「いいなぁ、二人とも初々しくて。その制服もとても良く似合っているよ」
「ストッキングも履こうか迷ったんですけど…伝染すると脱ぐのが大変で…」
「なら僕が見てる前で脱いでみせてよ」
「は……?」
紫鶴さんの発言に間の抜けた声を出す。
「僕に見られながら破れたストッキングを恥ずかしそうに脱ぐお嬢さんはさぞかし可愛らしいんだろうね」
「…先生、その発言はアウトです。生々しい言い方はやめてください。ツグミちゃんが困ってるじゃないですか」
「え、あの……!」
「もちろんお姫様もストッキングが破れた時は自分では脱がずに僕の所へおいで。手取り足取り、優しく脱がせてあげるよ」
「紫鶴さん、またそういうことを…」
恥ずかしそうにしながらも、ツグミちゃんは紫鶴さんの発言に呆れていた。
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