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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第2章 新しい居場所-フクロウ-



「…どうして怖がる必要があるんです?」



「え?」



「素敵な能力じゃないですか。初めて見た時、本当にムーンダストのような輝きだと思って感動しました。星川さん、とても綺麗な炎をお持ちなんですね」



「…貴女は不思議な人ですね」



「え?」



「普通の人なら驚いて悲鳴を上げるのに。それを貴女は綺麗だと言って、僕を奇異な目で見ないでくれました。有難うございます」



星川さんは嬉しそうに笑んだ。



「あ、自己紹介がまだでしたね!立花詩遠と申します。今日からよろしくお願い致します」



「こちらこそよろしくお願いします」



「(珍しい色の瞳…)」



「では僕はこれで」



「あ、はい!」



穏やかに笑んだ星川さんを見送った。



✤ ✤ ✤


「(まだ誰もいないか…)」



午後8時少し前に作戦室に向かうと
全く人影は見えなかった。



「(出直した方がいいかな)」



───そう思った時。



「おや、初めて見る顔だね」



「!?」



背後からいきなり声をかけられて、ビクッと体を跳ねさせた私は咄嗟に振り返った。



そこに立っていたのは一人の男性で、私はホッと小さな溜息を洩らす。



「驚かせて済まない。そんなに怯えられると思わなかった。次からは気をつけるよ」



「いえ…こちらこそすみませんでした。後ろから声をかけられることに慣れてなくて」



へらっとぎこちない笑顔で誤魔化した。



「今日から新しい子が来ると聞いたから僕も挨拶をしておこうと思ってね。隠由鷹だ、よろしく」



「初めまして、立花詩遠と申します。あの…隠さんもフクロウの方なんですか?」



「ああ、研究部に所属しているよ」



「そうでしたか」



「アパートの中や向こうの図書館も案内してもらったかい?」



「はい。あの地下道も図書館も…驚きました」



「だろう?まさかこの帝都の地下にあんなものがあるとはね。私も初めて来た時は、君と同じく驚いたよ」



「隠さんはここに来る前はどちらに?」



「久世家で書生をしていたんだ」



「久世…ということは、ツグミちゃんとはお知り合いなんですか?」



「そうだよ」



「(隠さんが久世家の書生さん…)」



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