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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第27章 彼とコロッケ-リソウ-



「ご覧下さい、この表情を。色白の肌は羞恥で赤く染まり、取り乱す様を。彼女は嘘を吐くのが苦手な愛らしい女性なのです」



「や!あの、違…ッ!そんな…わ、私なんか…はや…隼人の…っ、うぅぅ〜!」



「……おやぁ」



私は口をきゅっと結び、目を瞑って、火照った頬に両手を添える。



「あらあら?その反応…怪しいわね」



「あああ、怪しくないです!!」



「顔を赤くして言っても意味なんてないわよ。ふふ、それにしても…立花さんがこんなに可愛らしい人だったなんて。もっと早くに声をかけるべきだったわ」



楽しそうな二人を前に何も言えなくなる。



「わ、私の話はもういいんです!
それより他の話を…!」



「えー!いいじゃない、聞きたい!」



「うー駄目、です!」



「…なら、貴女の秘密を葦切先輩経由で尾崎さんに暴露しちゃおっかなー」



「ひ、秘密!?」



「ほら、女学校の頃、廊下を歩いていた時に貴女が誤って躓いて男性の先生に…」



「ま、待って下さい!な、何故そのことを柾さんが知っているのですか!?」



「それとも、あの時の話がいいかしら?ほら、調理実習の時に…」



「!?だから何故知っているのです!?」



「ぜーんぶ見ていたからよ」



「!?」



「まだあるのよ?貴女の可愛らしい失敗談」



「…もう勘弁して下さい」



顔から火が出そうな程、真っ赤だった。



「勘違いしないでね。苛めたいんじゃないのよ。貴女が可愛いからつい…ね?」



「(それを苛めてるというのでは…?)」



「でも立花さんのような愛らしい女性がいると世の男性達が黙っていないでしょう?」



「そ、そんなことは…」



「例えばお見合いの嵐とか」



「た、確かに縁談はいくつかありましたが…全てお断りさせて頂いたんです」



「好みじゃなかったってことね」



「い、いえ!というか顔で選んでるわけじゃ…素敵だなって方はいたのですが…」



「え、どんな人?」



「それが…あまり顔は覚えてなくて…」



「…そうなの。残念だわ」



「もしかして立花さん、その人と結婚してみたいなーとかそういう…」



「な、ないですないです!」



「本当ですか?」



葦切さんが意地の悪い顔で笑う。



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