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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第2章 新しい居場所-フクロウ-



「なんだ、笑うと最高に可愛いじゃないか。これは世の中の男達が放っておけないな」



「っ!だから朱鷺宮さん!
からかうのはやめてください!」



「もっと笑えばいいのに」



穏やかに笑んだ朱鷺宮さんに、私は頬を紅潮させ、恥ずかしそうに顔を俯かせた。



次に、私達は外に出た。



建物の造り的には裏庭ということになるのだろうか。けれど広さも充分にあり、木々も形良く整えられていて陰湿な雰囲気ではない。



「(奥に見えるのって何だろう…)」



大きく繁った欅の奥に、鳥籠の形のようなガラスの建物が見える。



「ここが裏庭。焼却炉も勝手に投げ込んでいいよ、ただし火には気をつけてな」



「分かりました」



「そうそう、これも言っておかないと。この庭とか玄関とかお風呂の掃除は当番制だ。玄関の表にももう名前追加してあるから、担当になった日はしっかり掃除すること」



「はい」



「あとは…ああ、あそこに見えている温室も自由に出入りしていいからな」



「あれ温室なんですか。紅茶を飲みながら過ごすのに良さそうです」



「紅茶が好きなのか?」



「はい、友人の影響で。最近では紅茶を専門に取り扱うお店もあるんですよ」



「それは良い。ちなみに好きな紅茶は?」



「ダージリンですかね。世界三大銘茶として有名で、収穫時期によって茶葉の色や風味が変わるので、それぞれの味を楽しむのにいいんです」



「へえ、詳しいな。自分で淹れたりもするのか?」



「見様見真似ですが…自分で買ってきてブレンドして飲んだりします」



「お嬢さんの淹れる紅茶は美味しいんだろうな。今度、私にも淹れてくれ」



「喜んで」



私は笑んで、太陽の光をきらきらと反射しているガラスの壁を凝視めた。



「さて、これでざっと回ったかな?まぁ迷うほど広くもないからすぐに慣れるだろう」



「はい」



「じゃあ、いよいよお嬢さんの部屋に案内するよ」



裏庭からアパートの中に戻った私達は、階段で三階まで上がって行く。



「さて、ここがお嬢さんの部屋だ」



扉を開ける朱鷺宮さんの後に続いて、部屋の中に足を踏み入れた。



「…わぁ」



「気に入ってもらえたかな?」



「はい、とても素敵です」



「それは良かった」



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