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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第19章 決断-ユウキ-



「抱えて運べるけど、あんたなんか」



「!?」



「やる?」



滉の腕が私の腰に伸びた。



「え!?あのそういうことじゃなくて…!」



私が反射的に後ずさった時だった。



「おや?二人ともこんな夜中に何処へ行ってた?」



「…朱鷺宮さん」



「近所の散歩、という雰囲気ではないよな?」



「「……………」」



「まぁいい。丁度、捜していたところだ。…二人に伝えなければならないことがあってな」



「…何でしょう」



「今、私達フクロウへの妨害工作と思えるものが続いている。知っての通り、今日は遂に燕野まで狙撃されてしまった」



「……………」



「カラスの狙いは私達を潰すことだとは思っているが、それとは別に立花が四木沼喬に目をつけられているのも……───確かなようだ」



「…………っ」



「彼女の能力は久世同様非常に貴重なものだし、私としても妹のように大切に思っている。だから今日まで悩んできたが…彼女に交渉役を委ねることに決めた」



「……なっ!?」



「少なくとも、彼女は四木沼喬に対する『餌』にはなるわけだ。利用しない手はあるまい」



「…………っ」



「私としても苦渋の決断だ。だが…まさかこのフクロウをこのままむざむざ潰されるわけにはいかない。そう思わないか、滉も」



「…それは…そうですが…」



「だろう?これから隼人や翡翠や久世にも話そうと思っている。彼等も子供ではない、きっと分かってくれる。そして……───立花も」



「……………」



「な?」



朱鷺宮さんが私の肩を叩いた。



「……はい」



「!?」



「私なら…大丈夫です、今すぐにでも…」



「馬鹿なこと言うな!!」



「……滉」



「……くっ……」



滉はきつく唇を噛み、そのまま言葉なく立ち尽くした。



「…滉。君も自分で思っている程、嘘が上手くないよ。聞きたいことがある。二人で作戦室まで来て欲しい」



✤ ✤ ✤


「…俺の父親の名前は四木沼毅」



「!?」



「そして腹違いの兄の名前は……────喬。……俺は四木沼喬の異母弟です。このフクロウの情報を彼に報告するために送り込まれました」



「う…嘘…」



「……………」



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