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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第18章 漆黒の策謀-アウラ-



「翡翠の言う通りだよ。あんただけが狙いなら、こんな手の込んだ真似しないよ」



「……………」



「ただまぁ、あんたが狙われてるのも間違いはないだろうけど」



「でもアウラが見える久世さんの方が狙われる確率が高いのでは?」



「……………」



「立花、アウラが見えるんだよな」



「そうなんですか!?」



「え…あ…騙してた訳ではないの。過去の出来事が原因でアウラを見ることを拒絶したの。今まで忘れてたけど…今は見えるよ」



「過去の出来事って……あ、もしかして…」



翡翠はフラマンローズでの私との会話を思い出して、苦く顔をしかめた。



「なるほど…それなら立花さんもアウラが視えるからでしょうか?」



「さぁ、そこまでは。
でもそう考えるのが妥当じゃないか」



滉は冷静に会話を続けている。



私と朱鷺宮さんは視線を交わし、ほぼ同時に小さな溜息をついた。



「…朱鷺宮さん、俺…思うんですけど」



不意に、それまで黙ってみんなの話を聞いていた隼人が口を開いた。



「あの男、もしかして遂に俺達ごと潰す気になったんじゃ」



「……え!?」



「隼人!?」



「(私達ごとって…)」



「そもそも、今までが少しぬるかったんだ、やり方としては。向こうにしてみれば明らかに俺達は邪魔な存在のはずなのに…目立って何か攻撃を仕掛けてこないのは何故かなってずっと思ってた」



「……………」



「とても争いを避ける穏健派って感じじゃないし、本当に邪魔なら、俺達全員を街中で狙撃して殺せばいいだろ?」



「まぁ…確かにな」



「ただ何か事情が変わったんだと思う。それは久世や立花の能力のせいかも知れないし、もっと他に理由があるのかも知れない」



「……───他の理由、か」



「奇遇だな、隼人。
実は私もそう思っていたところだ」



「ですよね!」



「(なら、朱鷺宮さんがさっき言い掛けたのは…)」



「た・だ・し。みんなにも改めて伝えておくが、私達の仕事はあくまでも『本の収集と管理』だ」



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