第19章 Bitter END 【★】
「ナポレオン………!」
部屋の扉。ノックをするが、返答はなくて。
「ナポレオン………? 入るよ」
そこで彼女が目にしたのは………。
寝台の上で眠ったような彼。だけど、手にしていたものは。
「毒、薬………?」
『猛毒、トリカブト』とラベルのついた小瓶を、彼は握っていた。
「嫌ッ………!
嘘でしょう、目を開けてよ………。」
ぽっ、ぽたっ、と彼の頬に涙が落ち、冷たい頬を伝う。
「愛してるって言ってくれたじゃない………!
うそつき………!」
愛しき人の亡骸を抱きしめ、彼女は泣きじゃくる。
やがてセバスチャンが彼女を見つけるまで、泣いていた。