第7章 月見酒にはご用心?【ナポレオン・★】
彼の部屋にたどり着いたは良いものの。
「うふふっ。すき、大好き………ナポレオン」
未だ彼女はけらけらと楽しそうに笑んで、火照った身体を押しつけてくる。
ふくらみが背に当たって、意識せずにはいられなかった。
「あぁ、もう………。」
焼け切れそうな理性を繋ぎ合わせていると。
………突然、視界が反転して。
「うふふっ………。大好きよ、ナポレオン………。」
彼女に押し倒されたと理解するまで、時間は掛からなかった。
「おい、イサラ………!」
彼が手首を封じるより早く、アズリは彼の服を脱がしにかかる。
やがて熱に染まったちいさな手が 彼の象徴に触れて。
「っ…………!」
ビクンッ、と身体が震えたのに気を良くしたのか。
舌先で、ちろちろと触れてくる。
「っ、イサラ………! ふざけの度が過ぎるぞ」
「あなたに、もっと触れていたいから………。ねぇ、駄目?」
彼を見上げて小首を傾ける彼女は、とてつもなく可愛い。
彼の瞳が 戸惑いと欲をない交ぜにして揺れる。
無言を同意と見なしたのか、彼女は掌で包み込むように動かした。
そのまま、舌で口内で愛撫する。
「っ、あ・………ぅっ!イサラッ」
どこで覚えて。やはり彼女は、処女(おとめ)ではないのだ。
誰が彼女に………こんな事を?
そう思考に載せると、胸に黒雲が淀んで。
「悪戯がすぎるお前には…………仕置きが必要だな」
「え………ナポ、」
どさり、と彼女を寝台に押さえつける。
浮かべた不敵な笑みを、少しだけ酔いが解けた瞳が見返していた。