第7章 月見酒にはご用心?【ナポレオン・★】
「ん、あぁ………! もっ、………ゆるしてっ」
舌足らずな言葉が さらに情欲を誘った。
のしかかっていた身体を反転させ、己が下になり彼女の身体が見える体勢へと変化させると。
「ああぁっ! はっ………恥ずっ、………んんっ!」
自身の姿を恥じながらも、己の腕の中で乱れる彼女が愛しくてたまらない。
「ほら、聴こえるか………?」
わざと水音が響くように、ゆったりと腰をスライドさせれば。
「ナポレオン………ッ!
あなたと、いっしょがいいのっ………。」
もう少しで気を遣りそうなのだろう、彼女は必死に己にしがみついてくる。
「っ………! 後悔、すんなよっ」
どこか気遣うような律動が 激しく力強くなっていく。
そのまま胸を捏ね回されれば、ただ彼の腕の中で乱れることしかできなくて。
「イサラッ………! 愛してる………。」
耳を舐め上げながら、恋情が囁かれる。
「私・・・も………大好きよっ」
唇を重ねながら、同時に登りつめて。
びくんっ、びくん、と身体を震わせたのち。彼女は意識を漆黒に染めた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇◆
彼女の頬に触れながら 満足そうに息をついた。
(不本意だが………太宰には感謝しねえとな)
額に口づけ、さらりとした髪を梳く。
柔らかく、誓いを交わしたあの日と変わらない温もりがそこにあった。