• テキストサイズ

秘め事【イケメンヴァンパイア◆SS集・裏】

第4章 片恋ワルツ【アーサーBD企画様参加SS】


「ねぇ、聞いてるのアーサー!

もしかして、あの小娘となにか遭ったの?」

思わず吐息を封じた彼に、苛立ったように呟いた。


「テオも、あなたもあんな小娘のどこがいいの―――」


「………イサラは関係ない」

自分でも驚くくらい、冷たい声音だった。

彼女は瞠目したのち、くるりと身を翻す。


「気分が悪いから、じゃあね!」


(何をやってるんだろう、俺は………。)

片方の掌で目元を覆う。


「あのコが俺のなに?

ただ………からかうのが面白い。それだけだった筈だ」

その時、ワルツの旋律が聞こえてきて。


「イサラ………、そろそろ戻ってきたかな」

ダンスホールへと、つま先を目指した。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




「踊って………頂けますか」

彼女を見つけると、どこぞの貴族の息子にダンスを申し込まれていて。


「あ、あの・・・私………。」

困っている彼女の手首を掴んで、その貴族に告げた。


「このコは俺が先約だから」

手を取り跪く。


「踊ろう………、イサラ」

悪戯に告げる彼に、彼女もつられて微笑んだ。

「喜んで………。」



/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp