第1章 一夜の過ち
「よう、、
おはよう。
凄い寝癖だな。寝てた?」
彼は任務に行く前なのだろう、
いつもの服装で、
バッチリ決まっている。
私はボサボサのすっぴんだ。
さらにパジャマ姿だ。
もう天と地のように感じる。
早くドアを閉めたい。
これ以上幻滅されたくない。
「…おはよう…ございます。
こんな格好で、すみません。
あと、ごめんなさい、
何も言わずに帰ってしまって…… 」
「ああ、
朝起きたらいないしね。
逃げんなよ、まったく。
で?
昨日のこと
全部覚えてるのか?」
明らかに機嫌が悪い。
目つきも悪いし言い方もキツい。
「あ…れ?えっと、
今日任務だよね、間に合う?」
話を逸らそうと
カカシに聞くが、
微動打にせず立っている。
沈黙が恐い。
「任務なんだけど、どうしても
お前に聞きたくてな。
覚えてるのか、って聞いての。
答えろよ。」
「全部覚えてます。
ご迷惑をおかけして申し… 」
「言った内容もだな?」
「うっ!…はい、すみませんでした。戯言なんでお気になさらずに、本当にごめんなさい、もう絶対あんな事しませんので…
……って、痛い痛い…痛い!」
俯きながら答える私の頭を
ぎゅうぎゅうっと押さえた。
その後、ふっと頭が軽くなって、
カカシの声が急に近づき、
声が優しくなった。
「わかった。
じゃあ、最初から全部
やり直ししような。
、もう逃げるなよ。
任務から戻ったら、
また来るから。」
頭をポンポンとして
私の頬に甘いキスを落とし、
彼は任務に出かけた。
「え!?… 」
下を向いていた顔を起こした時には既にその姿はなく、
一人呆然と
突っ立っていた。