第4章 たまには甘えていいですか?*三成、家康、光秀*
────可愛い可愛い、俺だけのお姫様
お前に褒美を与えるはずが
逆に、お前から貰ってしまったようだ
お前はそんな自覚はないだろうが
俺は、お前と居ると、ひどく安心するよ
そう、淡い温もりに全て委ねたいと思うくらいに
「舞……」
「……はい」
「少し、下を向け」
「え……?」
「唇が届かないだろう?」
「あ……」
「愛しているよ、舞」
「んっ……」
そうして、触れ合う唇から
さらに温もりは移って、熱を帯びる
お前は、甘味よりも甘い
それは、断言出来るぞ?
全てに溶けてしまう程に
俺はお前に溺れているからな
いつしか、部屋の中には甘い水音が響き渡って、
色濃く染まった空気が支配した。
俺ばかりを、お前で染めるな。
お前を染めるのは、俺の役目だろう──……?
そして、また溺れていく。
熱に、お前に蕩かされて、
至極の幸せと癒しを手に入れる。
愛していると囁いた言葉は、
今日も刹那に鼓膜を震わせて、
お前を、蕩けるような笑顔にしたのだった。
《たまには甘えていいですか? 光秀ver.》
終