第3章 濡れる君の肌と淡い声*幸村、政宗、光秀*
────決して輝きを失わない、俺の小さな光
今まで濁してきた、この想いは
遂に白黒はっきりさせる時が来たのか
でも、確信にも似た、予感がある
次にお前の唇から語られた時には
きっともう、離せなくなるのだと
白でも黒でもない、
鮮やかな真紅の想いが灯るのだと──……
それはきっと、俺がずっと望んでいた事だった
温かいお前の肌に、そっと口づけを落として、
(そして、一つに繋がる事を、切に望む)
「光秀さん、早く帰って来てくださいね」
「ああ、必ず早く帰る」
「光秀さん」
「なんだ」
「濡れて、風邪ひかないでくださいね」
「……そうだな、舞」
「はい」
「帰ってくるまで、いい子に待っていろよ」
たわいない会話も、妙に心地よい。
次にお前の頭を撫でられるのは、ただいまと告げに行く時か。
────その時まで、熱に浮かされ待つとしよう
雨がしとしとと肩に落ちる。
そんな冷たさも感じなくなるくらい、俺の心は温かだ。
舞の可愛らしい笑顔を御守りに──……
見送られ、俺は名残惜しくも公務へと足を向けたのだった。
《濡れる君の肌と淡い声 光秀ver.》
終