Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第7章 I love you crazy enough
ライナーがフランを縛り始めて、その動作を止めぬまま結衣の足を見た。
そして拘束し終え、無言で立ち上がって結衣を抱き締めた。
「また・・・守れなかった。それどころか守られた・・・俺は・・・本当に約立たずの・・・クソ野郎だ、本当に・・・」
「ううん、生きてるならそれでいい。命があるなら、どっちが守ったとか、関係ない。生きててよかった。殺されちゃうかと思った・・・怖かった、ライナーを失う事が、一番・・・怖いよ」
ライナーは震えている結衣を抱き締めて、スマートフォンを手にして警察を呼んだ。
フランの身柄を引き渡し、警察で事情聴取をされたりで結衣は数日間会社を休んだ。
ライナーも結衣もフランを国に戻したが裁判にかけなかった。
ただ彼女には「2度と会わない、例え家族だとしても」とライナーは告げた。
ライナーのスマートフォンと普段何気なく付けていた時計は位置情報、そして普段の会話なんかも全て盗聴、スマートフォンではカメラを勝手に操作して撮影、フランのスマートフォンに送信されていた。
そのせいか、とライナーは毎回不審に思っていた事が解決した。
女は信じるな、だとか、浮気したら女を殺すなどと言われるものだからどこから見られているのかと怯えるような気持ちだった。
そんな彼女を、異性としてはもちろん、家族としても見られる筈もなく。
ライナーはスマートフォンと時計を買い替え、年の為にマンションも引き払い、新しく家を借りた。