Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第2章 I think of you
それは訓練兵になりたての、2人がまだ、ただの同期の頃の“記憶”。
結衣、いや、ルイーゼが薪を割りながら、手に出来たマメが潰れて顔をしかめていた。
『おい、大丈夫か』
『・・・ライナー。・・・手にマメ出来ちゃって・・・』
薪の元木を運んできたライナーが、結衣に駆け寄り、手のひらを見た。
『こいつは酷いな・・・悪かったな、無理させちまって』
『ううん。元木はライナーじゃなきゃ運べないしね。よし、もう少しだから頑張る』
『よせ、俺がやるからお前は座ってろ』
ライナーが斧を握る結衣の腕を掴んだ。
『・・・ありがとう』
『何、どうってことない。俺がやってる間に手当てしてこい』
そう言ってライナーは薪を割り始めた。