Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第10章 Forever I love you
「前世では家庭を持つことが出来なかったからな。今平和なこの時を堪能したいんだよ。漸くこの世に生を受けたんだ、その位の感情を持つことくらいは許してくれ」
「まるで前世では性根が腐っていないような言い様だが、前世でも割と負の感情を出していたぞ」
「・・・確かにな。ルイーゼが絡むと荒れていた。八つ当たりされる俺達の身にもなって欲しかった」
ミケとリヴァイに言われ押し黙ったエルヴィンは、ジューシーな焼き目の柔らかい肉をナイフで切り、口に運んだ。
その肉を飲み込んだ後、エルヴィンは呟く。
「・・・彼女には今度こそ、幸せな生涯を過ごしてほしい」
エルヴィンは結衣の最期を見ていた。
叫びながら巨人に抗う結衣、ブレードを巨人の顔に突き刺すが、抵抗虚しく捕食された。
団長の彼は、感情を押し殺し、そして自分を騙した。
すぐに飛んでいって救いたかった。
結衣が捕食された時の鎧の巨人(ライナー)の叫びの意味は分かった。
まさにその時、自分も声を上げてしまいそうだったから。
「・・・エルヴィン、飲め」
リヴァイはエルヴィンにワインを注ぐ。
エルヴィンは礼を言ってそれに口をつけた。